宅地建物取引業とは、次の行為を業として行うものとして、宅地建物取引業法で規定されています。

〇宅地または建物の売買
〇宅地または建物の交換
〇宅地または建物の売買、交換または賃借の代理
〇宅地または建物の売買、交換または賃借の仲介
宅地建物取引業を営もうとする場合、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受ける必要があります。
免許を受けるにあたり、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、事務所の規模、業務内容等を考慮して、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならないとされています。
宅地建物取引士になるためには、まず、宅地建物取引業法で定める宅地建物取引士試験に合格しなければなりません。
試験は、宅地建物取引業法第16条の2の規定に基づき、国土交通大臣から指定を受けた指定試験機関が、各都道府県知事の委任のもとに実施しています。
試験は、毎年少なくとも1回は行うとされているため、毎年必ず行われています。
宅地建物取引業と不動産業の違い
厳密にいうと、宅地建物取引業は不動産業ではありません。上記で見てきたように宅建業法の規制を受ける宅地建物取引業はアパートやマンションの売買取引や仲介業務を専門とします。不動産業は物件売買の仲介業務に加え、マンション管理や入居者対応、マンション管理業者の監督に関する事務など、不動産に関わる業務を広く扱っています。
宅地建物取引業を営むには
宅地建物取引業を営む場合、上記にも示したように免許を取得することが大前提です。そして宅地建物取引士を雇う必要があります。
宅地建物取引士は、不動産の売買契約締結に欠かせない「重要事項説明」がメインの仕事になります。重要事項説明は宅地建物取引士の独占業務であるため、契約成立まで運ぶには宅地建物取引士の力がどうしても必要になります。
依頼人からマンション売却の代理人を任された場合、宅建業者が買い主との契約行為まで代理します。重要事項の説明や、契約書記載事項の確認を経て行う署名・記入は宅地建物取引士が責任を持って行うことになります。
不動産取引においては、重要事項の説明は、専任でない一般の宅地建物取引士でも行えます。
しかし、宅地建物取引業を営む場合には、必ず専任の宅地建物取引士を指定し、事務所に常駐させなければなりません。
宅地建物取引士が専任かどうかを満たす要件は、「常勤性」と「専従性」です。つまり、パート・アルバイトや業務委託、兼業を持つ者は専任の宅地建物取引士として認められません。また、宅建業者を監視・監督する監査役は、取引業務を行うために常勤しているわけではないので、専任のポジションにつくことはできません。