無事開業までこぎ着けた場合、開業したその日から日々の売上を集計し、経費の領収書等を管理し、従業員さんの給与を計算していかなければなりません。
上記のような会計処理は、必ずやらなければいけない仕事とはいえ、特に慣れないうちは面倒なものです。誰だって売上や利益につながらない事務的な業務に時間をとられるのは、煩わしいものだと思います。
そんな飲食店の経営者や、これから開業予定の方のために、飲食店の会計処理を効率化する方法をご紹介します。導入時には覚えなければならないこともありますが、慣れてしまえば会計処理にかける時間を大幅に削減できます。
あなたは会計をどのように行う予定でしょうか?

もちろん会計は重要な仕事ですが、直接売上や利益を上げる仕事ではありません。業績を伸ばすには、新メニューの開発や広告費といった生産的な仕事に、できる限りの費用や時間を投資する必要があります。そのために、会計処理はできるだけ時間をかけずに素早く行うのが理想です。
では、どうやって飲食店の会計処理の時間も費用も削減すればいいのでしょうか?ここで2つの方法をご紹介します。
・POSレジとクラウド会計ソフトを連動させ、残りは全て税理士に任せる
・最初から全て税理士に任せる
①POSレジとクラウド会計ソフトを連動させる
POSレジの「POS」とは「Point of sale」の略称です。商品を販売した時点で、売上や在庫等の情報が自動で管理され、売上データ等の経営に重要なデータを把握できます。
一方クラウド会計ソフトとは、会計ソフトを提供する会社が管理する「クラウド」と呼ばれるサーバーに、インターネットで接続して保存する会計ソフトです。
従来の会計ソフトは、パソコンに会計ソフトをインストールして、データもパソコンに保存する形が一般的でした。それが、クラウド会計ソフトの場合、ネットにつないでログインIDやパスワードを入力すれば、パソコンでもスマートフォンでも会計処理を行えます。
POSレジとクラウド会計ソフトを連動させる最大のメリットは「自動記帳」です。お客さんが会計をした段階で、POSレジから売上データがクラウド会計ソフトに同期され、自動で仕訳してくれます。そのため、手入力が不要になるのです。
また、クラウド会計ならインターネットバンキング契約をしている銀行口座やクレジットカードと連携することで入出金履歴や利用履歴も自動で取り込み、記帳することができます。
なので、できる限りすべての口座をクラウド会計に連携させ、自動化することが上手に使うコツと言えます。
POSレジの費用は月々5,000円から
クラウド会計ソフトの費用は月々1,000~3,000円ほど
たったこれだけの費用で、会計処理にかける人件費も時間も大きく削減できます。
ただ、POSレジとクラウド会計ソフトを連動させても、自動入力された仕訳が間違っていないか、人間の目でチェックする必要があります。そこは税理士に任せましょう。
クラウド会計ソフトには請求書の管理など、便利な機能もありますし、もちろん確定申告もできます。ですが、毎日大量の売上データや仕入れ、経費の管理を行っていると、どこかでミスが生じるものです。
確定申告の時期になってから1年間積もり積もった入力ミスが発覚すると、どこが間違っているのかを探し、修正するだけでかなりの時間がかかります。最初から税理士にお願いしてチェックしてもらえば、無駄な時間の発生を防げます。
その他にも、資金調達や、経費にできるもの・できないものの判断のアドバイスや、急に税務調査が来ることになった場合の対応など、税理士に任せることで、多くのメリットが見込めます。
通常税理士費用とPOSレジ・クラウド会計ソフト・税理士費用を合わせても専属の事務員を雇って人件費を使うより、時間も費用も大きく削減できる上、確定申告まで間違いなくやってくれます。
②最初から全て税理士に任せる
もちろん誰もがクラウドやアプリを使いこなせるわけではありません。
とはいえ会計処理はリアルタイムで進めなければ後々大変です。
そういった場合も、やはり税理士に任せてしまいましょう。
日々の売上の集計表や経費の領収書、事業用口座の入出金履歴等をきちんと月ごとに分けて保管しておき、
1~2か月分溜まったら税理士に送り、処理してもらうことを繰り返していれば、
確定申告や決算の間際になって慌てることはありません。
方法はどうあれ、経理処理は日々の積み重ねが大切なのです。